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COMIC ZIN 日記

今日こそイチローと「capeta」
2009/09/16
【塚本日記】

昨日書いたとおり、「イチロー」と「capeta」のお話を。

イチロー選手が今回の記録を達成した時のコメント、
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、改めて紹介します。

「人との戦いに終わりを迎えた」

これもまた改めて驚いたというか、もうすごいなあとしか言えないですね。
よくアスリートは「他の選手は意識しません、自分との闘いです」、
といったようなことを言いますが、
オリンピックなどでは実際は競争する相手がいるわけで、
それは本当に意識の問題なわけなんですが、
イチロー選手の場合はもう彼しか見えない世界に立っているわけで、
言っていることが全く本当のことだからすごいと思います。

つまり生きながらレジェンド、伝説なわけですね。
彼の実績というのは10年前ならばまさに漫画の世界の話で、
誰も想像できなかったところにあると思います。

以前、曽田正人先生にインタビューをした際に、
「capeta」に限らず、曽田先生はキャラクターの伝記を作るような気持ちで
漫画を描いている、といったようなことをおっしゃってくれました。

「capeta」の主人公、カペタについていえば、
当時絶対王者だったシューマッハーに勝てるようなドライバーとは、
どんな人間なんだろう、どういった成長をするのだろうか。
子供の頃にどういう経験をすれば、どういう考え方でいたら、
シューマーハーに勝てるようなドライバーになるのだろうか、と
考えながら描いているとのことでした。

だから「capeta」ではドライバーの運転技術だけでなく、
周りの大人を巻き込む、巻き込まれる様子も描写しています。
それは運転技術だけではシューマッハーに勝てるようなマシンに乗れない、
速いマシンを用意されない、つまり勝てないわけであり、
ただ天才なだけではいけないということを
まさにF1ならではの世界を重要な要素と描いており、
それがこのマンガをただの熱血スポーツ漫画としてでなく、
壮大な人間ドラマとして、傑作とたらしめているんだと思います。

記憶に頼ってしまい申し訳ないですが、
この「capeta」の取材で印象的だったことがあります。

先生が日本人ドライバーがF1で勝ってくれたら嬉しいけど、
本当に勝ってしまったら、漫画より現実が先になってしまい、
漫画がもっと先に行くようにしないと、
そしてそれは大変なことだとおっしゃっていたことです。

野球漫画でいえば、大リーグというのが昔は漫画の世界だったのに
それが野茂投手、イチロー選手の登場で
そうではなくなったということもおっしゃっていたと記憶しています。

全くその通りだと思います。
昔、巨人の星ではオズマのいるカージナルスとの対戦が
すごく仰々しく描かれていましたが、もしいま同じものを描いても
どうせ観光がてらで、終わったら秋葉原だろ、と思われますし、
魔球を使わなくても大リーグのチームに全く勝てないわけではないことを
WBCや松坂投手の活躍で我々は知っています。
20年前だったら野球で世界一!という設定だけで漫画になりましたが、
WBCを2連覇をしているいまではそれは当たり前で、
そこに「なにか」を加えないととても漫画にならないと思います。

「キャプテン翼」で翼の夢であったワールドカップに日本は
すでに4大会連続で出場します。もはや常連です。
これも出るだけではもはや漫画になりません。

ウサイン・ボルトは小山ゆう先生の「スプリンター」の記録を過ぎ去りました。
たぶん、当時いまの彼の世界記録である9秒58とか描いたら、
漫画でも非常識すぎた印象を与えたかもしれません。

なんかまとまりがないですね(眠いからかな)。
要はそれだけイチロー選手がすごい、
漫画の世界の人物に匹敵する人間であり、
もっといえばまさに「ヒーロー」であると言いたかっただけなんですがw

こうしたヒーローと同じ時代を生きていることをとても幸せに思いますし、
こうしたヒーローを超えるキャラクターの登場を漫画に期待したいです。
そしてその新たなヒーローを読んだ少年少女が現実で新たに
ヒーローになれば、どれほど勇気づけられるでしょうか。
ワールドカップ優勝が漫画の世界でなくなることを期待したいです。

それではまた。

読書履歴
●「神様ドォルズ」2巻~5巻(やまむらはじめ/小学館)
あらためてコミックスで通して読みましたが(1巻は再読)、
やばいくらい面白いです。あと絵が、画力が圧倒的というか
うまい、また丁寧ですね。
以前からやまむら先生の描く、髪がとても好きなんですが、
この漫画を読むと体のラインも……。
日々乃さん、素敵すぎです!

●「リトル・リトル」(ろくこ/芳文社)

[ 担当:塚本 ]